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|| 子宮頸がんワクチンについて
令和7年 7月28日
子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)には、これまで「サーバリックス」という2価ワクチンと「ガーダシル」という4価ワクチンがありました。そして、2021年には「シルガード9(ナイン)」という9価ワクチンが発売され、2023年4月以降は、これらのいずれのワクチンでも小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、定期接種として公費(無料)で接種できるようになっています。

子宮頸がんは、原因のほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものと言われています。HPVは主に性交渉によって感染し、もともとは生殖器やその周辺にイボをつくるウイルスです。HPVには多くの遺伝子型がありますが、そのうち15種類ほどに発がん性があると言われており、特に16、18、31、33、45、52、58型はがんになりやすいといわれています。子宮頸部(子宮の入り口付近)に感染すると20歳代でもがんに進行することがあり、特に若い世代で増加傾向にあることが報告されています。HPVは、子宮頸がん以外にも中咽頭がん、肛門がん、膣がん、外陰がん、陰茎がんなどの原因にもなりますし、母親が感染していると、生まれてくる赤ちゃんの喉にイボができる再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)という病気を引き起こす可能性もあります。

子宮頸がんワクチンは、これらの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防御するためのワクチンです。

「サーバリックス」(2価ワクチン)は原因となるリスクの高いHPV16型および18型の2種類のウイルスへの感染を予防するワクチンであり、「ガーダシル」(4価ワクチン)は子宮けいがんの原因となるリスクの高いHPV16型、18型に加え、尖圭コンジローマなど他の性感染症の原因となるHPV6型、11型に対しても予防効果があるとされています。

「シルガード9」(9価ワクチン)は新しく開発された子宮頸がんワクチンで、子宮頸がんの原因の80〜90%を占める7種類のHPV型(HPV16、18、31、33、45、52、58型)および、尖圭コンジローマなどの原因となる6型、11型の感染を予防することができます。当院では、これから子宮頸がんワクチンの接種を始める方には、この「シルガード9」を接種させていただくこととしています。

姫路市では、現在小学6年生〜高校1年生に相当する方で有効期限内の接種券があればどちらのワクチンも無料で接種が受けられます。
14歳までに初回の接種を開始すれば、初回と6か月後の2回の接種で終了となります。15歳以上の方は初回、1〜2か月後、6か月後の3回接種となります。

高校1年生の方は、高校2年生になる前の3月までに接種を終了する必要がありますので、遅くとも、前年の9月までに接種を開始しておかなければなりません。

平成21年4月2日から平成22年4月1日生まれ(令和7年度に高校1年生相当)で、令和7年5月末時点でHPVワクチンを1度も接種していない方には、令和7年7月に姫路市保健所から、接種に関する再度のご案内が、はがきで発送されています。

日本では毎年、約10000人が子宮頸がんと診断され、約2900人が亡くなっています。子宮頸がんワクチンは女性にとって重要な子宮のがんの発生を予防できると言う点で、非常に有益です。厚労省や姫路市からのご案内をよく確認された上で、接種をご検討いただければと考えます。

ワクチンを接種した場合でも、20歳になったら定期的に行われる「子宮がん検診」を必ず受診して下さい。

子宮頸がんワクチン接種に関して不明な点、お聞きになりたい点などありましたら当院受付にお問い合わせ下さい。


https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C,%E3%82%82%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82